科学者を興奮させるsuper Human
=The Boy with the Incredible Brain =
ダニエル・タメット氏(英国/当時25歳)は4歳の時から高度な計算ができました。
驚くべきは、彼は計算しているのでなく、ただ解答の数字が脳裏に浮かぶといいます。
それは写真のようだったり、図柄パターンだったり…彼によれば、数はそれぞれ個性ある形や像を持つパターンだというのです。
これが、科学理論では解明できていないのだから、科学者たちの脳は すっかり吹き飛ぶわけですね。
さらに彼は9つの言語を、それぞれ1週間で習得し、その習得能力は、全国テレビで特集されたほどの人物です。
2003年3月 には、オックスフォード大学での実験で、衆人環視の中、π(円周率)の数値 22,500桁までの暗唱を披露しました。暗唱するだけで5時間9分もかかったようで、文字通り、この並外れた 集中力に驚かない人は いないでしょう。
天才と共感覚
彼は音を聞きながら、音の色を感じたり、数字の持つ感情を感じることもできる、いわゆる共感覚(シナステージア-これもサイキック知覚のひとつ)でもあります。
因みに私自身にも、その共感覚は(ここ数年に)急に表出し始めている知覚です。読書をしている時に、ふとそれは起こります。
書籍を読んでいると、うとうとしたくなる瞬間がありますね。すると、目は文字を追いながら、半分は変性意識状態、つまり催眠トランスに入りかけています。
これは、誰もが日頃、何度も体験している催眠状態ですから、特別でもありません。この時に、文字や行がカラーマーカーで色付けされたように、認識されてしまうのです。
あたかも意識的に、単語や重要な語句、特定の行にだけマーカーを引いたように、色彩がくっきりして見えます。
しかし、催眠トランスなので、左脳的な意識ではボーっとなっていて、理解レベルはお休みモード。
右脳だけ(潜在意識の担当)は活性化しています。
その潜在意識だけが機能していて、画像として語句を見ており、重要な語句を選んでカラーマーキングしているようです。驚くべきは、ちゃんと取捨選択をしているんです。通常とは異なる第二の知性で!
今のところ、わたしの共感覚は文字と色の組み合わせだけで、さほど意味があるとも思えない共感覚能力ではありますけれど…。
天才サヴァン
ダニエル氏はロンドン育ち。4歳の頃にひどい てんかん発作に見舞われたのですが、その発作が、彼の脳に変容をもたらしたのでは?と考えられています。
ここで紹介されるもう一人の天才能力者は、オーランド・サラル氏。
当時10歳のオーランド氏が野球を楽しんでいる最中、ボールが側頭部を直撃しました。
病院での治療も受けずに済んだ程度でしたが、それ以降、任意の年月日の曜日と当日の天候記録が言えることに気づきます。
なぜ、そんなことができるのか、彼自身もわからないまま、ただ頭の中に浮かんでくるというのです。
オーランドもダニエルも、通常の人には発現していない特別な認知力、超知覚を持っていますが、これらはサイキック(超感覚的知覚)と呼ばれる、五感(聴覚・視覚・味覚・嗅覚・体感覚)を超えた、超知覚能力を発揮している例でもあります。
もちろん、人類の全ての人は(まだ)発露していないくても、人類が持っている可能性を示し見せてくれている、素晴らしく、貴重な存在です。
このように強化された能力を持つ人は、いま世界中で一握りしか存在していませんが、サヴァン(症候群)という名で呼ばれる方々もいます。
サヴァンは、ダスティン・ホフマンとトム・クルーズの主演映画「レインマン」(1989)で知られるようになりました。
サヴァンは自閉症との関連も知られていますが、平均的な一般層にも、存在しています。
サイモン・バロン・コーエン教授(ケンブリッジ大学)は「サヴァンは、狭い範囲での興味関心と粘り強さで、特定の分野で驚異的な能力を発揮する人たちである」と表現していますよ。
※コーエン教授:自閉症の専門家で、サヴァンの研究にも詳しい
アウェアネスIns.の受講生にも、あるサヴァンな方(女性)がいました。
レッスンですから、何かしら..いろいろなお話をしていて、ふと「サヴァンの能力傾向がおありでは?」と聞いたところ「そうです。(自分は)サヴァンです」と軽く頷き、仰ったのでした。
サヴァンな能力者には、滅多にお目にかかれません。
その幸運に、私は喜んで、詳しくお話を聞いてみると…彼女は、私の装いを上から下まで、髪留めからタイツ・靴まで、毎回そっくり一式、覚えているといいます。忘れられないのだそうです。
そして、話していないプライベートな履歴まで 「なんとなく分かっていて、ただ直感的にそうじゃないかなぁ〜と感じていた」といい、実際に、私の家系や立場を言い当ててみせました。
計算や天候・カレンダー記録でなく、彼女のケースでは情報を受け取るサイキック・リーディング系の知覚が発達していたのです。
物静かで控えめな彼女は、人との交流が苦手で、どちらかというと益にはならない一過性のアルバイトをしている主婦さん。
ここで、ヒプノセラピーのみならず、リーディング能力を発見したことで、思いがけず有意義な出逢い、レッスンになったことは、私にとって最上の思い出の一つとなっています。
”自分は(平均的でなく)ダメなのかも…”と、低い自己評価をしていた人が、希望と自信を見出すのだから、この機会は奇跡のギフト。
お互いに、そんなふうに思えたものです。
生活に馴染みつつ、自分でもそうとは気づかないサヴァン傾向な人びとは、もっと多く身近にいらっしゃるかもしれません。
さて動画では、計算や情報でなくアート(絵描き)に能力を発揮する人や、世界で最も有名なサヴァンな人、キム氏も登場します。
キムは、先ほど挙げた「レインマン」の主人公のモデルとなった男性で、彼は今まで読んだ全ての本について話すことができ、一度見た画像は、精緻な部分まで忘れることがありません。
読んだこと、見たことは、とにかく全て覚えていて、”聞けば、なんでもスルスルと答えてくれる”とキムの父親はいいます。(実際、4歳までに百科事典を読破し、内容を記憶しており、どんな質問にも、片手間にスラスラッと答えている様子が、動画で紹介されています)
頑張って記憶を思い出している様子も、思考している様子もありません。というのも、彼が本を読むときは、平均的な人が3~4分かかる1ページを8-10秒で読み、内容の98%は写真のように記憶(保存)しているから。
彼の読書法は左目で左ページを読み、右目で右ページを読む(脳内撮影?)という具合だから 到底、敵うわけがありませんね。
努力では不可能に思える、とても斬新なスタイル!…と思うでしょうか?
ところが、本当は誰でも、無意識下で出来ている可能性があります。(※上級ヒプノコースの内容:無意識への洗脳、睡眠学習、自動書記、サブリミナルetc…に関連)
あなたが意識・意図しないまま、外部の事象を知覚され、認識され、取り込まれていることは、潜在意識が自動で行なっていることの一つです。
眼球の片隅にでも事象が映り込みさえすれば、潜在意識はそれをキャッチしてしまうので、無意識でいる間でも、画面に流れるTV広告は有効だし、睡眠下でも外部の音を認識し、取り込んでいたから、母国語を覚えたのです。
意外なことに、私たちは、誰もが持っている驚くべき機能ー潜在意識の働き、機能、使い方をまったく知らされていないのです。
ところで、話題を戻します。
主演のダスティン・ホフマンと映画クルーたちは、キムと会って大いに触発されたと言っています。
そして、キムは言います。
「君は素晴らしいよ。君が他人と違っていたしても、ハンディキャップだなんて思っちゃいけない。みんな違うんだから」
さて一方のダニエルは、ラスベガスのカジノでブラックジャックに初挑戦という実験を課せられます。
フラッシュする光、騒がしいBGM、ひとびとの興奮や緊張…。
ここでは集中力が効きません。
初戦は敗退し、彼のチップ(賭け金)は消えていきました。
そこで次は、直観だけを頼りに進めることにしました。
すると頭の中で、近い未来の画像が浮かぶ体験をしはじめたのです。
周囲の観客は「あんな手で、どうかしている!」と呆れ顔で成り行きを見守りますが、最終的に、彼は勝ってしまいます。
彼は記憶だけでなく、第六感の直観能力をも備えていることが分かりました。
こうして彼はサンディエゴの脳研究センターで、第六感のテストを受けることになりました。
ラマ・チャンドラン博士たちは、懐疑的な見方で待っています。数字の暗唱は、それなりのテクニックがあればできることです。例えば日本のソロバンがありますね。
12歳のコウタ君(日本)は 巨大な計算を脳内で行ってしまいます。そろばんの全国チャンピオンが夢だというコウタ君。
私などは、コウタ君の足元にも 及びませんが、小学生の時にソロバンを学習させられたことがあります。
入塾してすぐ、周りの塾生が暗算をしている様子を見て、驚いたのはいうまでもありません。けれど先輩の塾生の真似事をしながら、脳内でソロバン珠の画像をイメージしながら指を動かしていたら、やがて脳内で計算ができるようになったという程度には、進歩していました。
もっともコウタ君は、目にも止まらぬ速さで、見事というより他ありません。
実際、こうした計算技術は訓練次第で、相当な速度と正確さをもって、解答を引き出せます。ですから科学者たちは、高度な計算能力のせいだろうと、ダニエルの能力を疑ってしまうのです。
しかし、ダニエルはいいます。
彼は こうした”意識的な計算”を、全くしていないと。メンタルのイメージに、ただ数字が浮かんでくるのだから、自意識では何もしていないのです。
意識的な努力なしに、彼は巨大な計算ができるとは、いったい、私たちの脳は、どこまで可能性があるのでしょう?
そして、今それを 使えていないのは、どうしたことでしょう!
自然はそのように私たちを創造したのに、どこかが狂っているのか、それとも未熟なだけでしょうか。
彼が見るメンタル・イメージでは、まず風景が映し出され、やがてそれが結晶化して数字になるそうです。
これは、まったく新しい研究分野。
最後の実験として、アイスランド語を1週間で習得するテストが行われました。
オンエアで放映されるライブな実験です。
アイスランド語は非常に難しい文法と発音があり、1週間で習得することは不可能だと言われる言語です。しかし、彼はそれをやってのけ、人間技ではないとの評価を受けることとなりました。
ダレル・トラフォード博士は、”レインマン現象”を生涯かけて研究する人物ですが、これほど高能力のサヴァンな人は、世界で50人もいないといいます。
いかがでしょう。
サヴァンな能力は、知性とは何かを示しているように思えてきませんか。
それは私たちが今、知性と呼んでいる範囲の、努力し、苦悩して捻り出す解ではなく、もっと直観的かつ思考を超えた先にある情報。
努力や思考で奮闘しながら…ではない、新たな手法。まるで「問われれば、答えが出てくる。浮かんでくる」ような、シンプルでナチュラルな方法があるのでしょう。
それは、あたかもヒプノセラピーの最中に、自動で何気なく浮かびあがる情報、ひらめきに似た何か、アイデア、元から知っていたかのような考え。
それが知性の本質に思えてきます。
アウェアネスIns.でお伝えする、潜在意識の科学は、単にヒプノセラピー(催眠療法)とヒプノシス(催眠トランス状態そのものを指す)の可能性を、ヒーリング・心理学、前世イメージのワークだけに留まるものでは、ありません。
ひとは進化するーそんな人類の野望というか、これからの研究や現場ワークでの探究価値を感じさせてくれたサヴァンな実話をご紹介しました。
あなたは何を感じたでしょうか。
潜在能力について、あなた自身でもちょっとした覚えがあったり、特性を持っているかも?と思われたなら、調べてみるといいかもしれません。
璃子 Riko Claire
アウェアネス・インスティテュート
Awareness Institute
ヒプノとサイキック
レッスン / セッション
米国催眠士協会・米国催眠療法士協会
認定トレーナー