密教に千日回峰行(せんにち かいほうぎょう)という修行があります。

奈良県吉野にある修験の総本山・金峯山寺(きんぷせんじ)で行われるもっとも険しい 命を賭けた修行です。

それは 単身で 山中を巡礼し、地球1周にあたる約4万キロ 1000日(9年)で踏破する過酷なもの。

この修行を満行した僧大阿闍梨(だいあじゃり)と呼ばれ、僧侶たちの尊崇を集める存在だそう。

その千日回峰行を成し遂げるとともに、9日間 一切の飲食(水も摂らない)を絶って、決して眠らず 横にもならず 百万回真言を唱え続ける 四無行(しむぎょう)を成します。

その過程を経て、大阿闍梨(だいあじゃり)となられた お一人、慈眼寺の住職 塩沼亮潤 氏のご講話から、その教えを記事に留めておきます。

塩沼氏は18歳で出家をし、世界をめぐる講演家のお坊さんになろうと志したそうですが、入門後に まず 4つのことを伝えられました。

「今日から君たちはお坊さんとなるが、4つのことを心に止めておきなさい」と。

  1. 勤行(ごんぎょう)
  2. 掃除
  3. 追従(ついしょう)
  4. 阿呆(あほう)

それぞれが意味するところは 動画をご覧いただくとして、一番 難しい修行が「阿呆」になることなんですって。

アウェアネスIns.では 哲学人類学ほか(東洋でいえば)密教、西洋でいえば 中世には秘密であった 神秘学の多彩な知見を提供し、思慮の材料としていますが、心理学でいう アーキタイプ(原型)の中にも 「愚者」という原型があります。

愚者とは 文字どおり 愚かなひとを指します。

が… 一見すると愚かに見える表現であっても、その実は 深い賢さを秘める 人格面を指しています。

人というのは、自分の賢さを 示そうとしますよね。

でも、本当の賢さは、たとえ 人から愚か者と思われても構わないほど達観しているものだ という反語的な意味を含んでいます。

こうして 世界の教えを 付き合わせていくと、驚くほどに共通していて、一つの(原理)が 世界のあらゆるものに通じていることが、わかります。

ですから「浅薄な二番煎じスピリチュアル系 」を渡り歩くより(古典的であっても)何かしら 極めた先人の知見を 素直に聞いてみることは、大切に思います。

今は、修験道や禅に興味を持ち、精神世界を探求する方も多くなっていますので、千日回峰行については こちらにご紹介いたします。

「人のため」という偽善

大阿闍梨となった 塩沼氏ですが、若い頃には “お坊さんを志した理由” を尋ねられると「世のため、人のためになりたい」と答えていたと、当時を振り返ります。

塩沼氏のその言葉を耳にしたのか、あるとき 師匠が お茶を飲みながら 笑い話のように こう話されたそうです。

坊さんというのは『世のため、人のため』なんてことは、あんまり言わんほうがええな。

まず自分自身が 心身しっかりと徳のある人間に成長すれば、自然と世のため、人のためになっているものだ。

『世のため、人のため』と言っている人間に限って、どこかで 必ず 自分のためになる動きをしているもんだ。

だから 『人の為』と書いて『偽り』と読むんじゃ

師匠の言葉 / 慈眼寺住職 塩沼亮潤氏

こうした深層の心理には、素直に向き合う必要があるかもしれません。

特に、「私は人を助けたいんです!」と目を輝かせる人びと。

多くの場合、その本音は(自分を助けたい!)のかも知れないから。

その真が分かる哲者ソウルマスターにまで成長したあなたには、本当に他者に 役立つ機会が、向こうから やってきますよ。

ヒーラー?として、セラピスト?として、占い師?としての自己肥大化”させ、マーケティングやシステム導入やらに必死になって…

そんなエゴなる自分売り出そうとしなくても。

璃子 Riko Claire

アウェアネス・インスティテュート

Awareness Institute


ヒプノサイキック

レッスン / セッション


米国催眠士協会・米国催眠療法士協会

認定トレーナー