引き寄せの法則は、良く知っているゎ!
そう言う人々がいます。
ところがアウェアネスIns.に(特にこうした神秘学の教え記事に)目が留まる人の多くは、世に広まったその法則の未熟な解釈、都合のいい捉え方に対し、なんとなく腑に落ちない違和感を感じていたことを告白されています。
であるならば、もっと多くの人もそう思っているはず…。
あまりにも単純なスキームとして伝えられたので、稚拙な理解にとどまっているのも致し方ないことだろうと、私なども思います。
けれど、地球を見渡せば戦争、災害があり、エネルギー状況も芳しくないのですから、人類の願いはまったく叶っていないといってよく、今夜もどこかで誰かが祈り、発しているアファメーションの力は一体、どうなっているのでしょう。
実のところ、イメージしたことを引き起こす効果は現にあり、私自身は 振り返れば 四半世紀近く、それを実践してきました。
中には奇跡としか考えられないケースも多く体験しています。
実際は、創造の法則、周波数の法則のいずれかのセオリーが機能しています。
どこか遠くから違う現実を自分側に”引き寄せる”のでは、決してありません。
その辺からしてネーミングも誤っているのですが、100年以上前にウィリアム・ウォーカー・アトキンソン氏(米国)が この法則を発表した時代には、的確な表現が見つからなかったのでしょうね。
ちなみに、アトキンソン氏がこの法則を伝授されたのは、ゾロアスター教のマスターからだったとの記録があります。
ゾロアスター教はキリスト教や仏教、チベット密教(ヨガ)などの源となっている原始の教えで、時代をさらに遡ると、現在のイラン辺りで生き延びたアトランティス文明の人々から継承されたものと伝えられています。
周波数の法則とは、違う現実の宇宙に自分が飛び移ることで違う現実を体験することです。
あなたがいる宇宙世界とは、似ていながらも微妙に異なる、別の宇宙世界へ移行するのです。
複数宇宙、マルチバースの概念がその基礎にあります。
次元の違う宇宙といってもいいでしょう。
このことは理論物理学、宇宙物理学でも議論されていますが、まだ誰も、別次元宇宙を見てきた人はいません。
しかし、それぞれ少しづつ違う周波数で振動する別の物質宇宙では、別の現実がありますから、そこでは少し時間の進み方も異なるでしょう。
光の速度を超えて宇宙を移動するとしたら、理論上はタイムトラベルが可能であるように、それぞれの並行宇宙では、時間がちょっとズレる現象が起こるのです。
催眠中にも時間感覚が大きく歪みますが、それと同じことは睡眠中にも皆が体験していますね。
さて他方、周波数が異なる別宇宙へ飛び乗るのではなく、宇宙はユニバース(Uni =たった一つのという意味)でには変わりなく、そこで私たち自身が、意識だけで全てを創造しているのだという理論もあります。
こうして、いずれかの方法で、以前に想像されたものとは異なる現実を体験するという”体験”を味わうのです。
なのに、どうして世界は平和になっていないのでしょう?
なぜ、国民の平均収入が爆上がりしていないのかしら?
どうしてある人は事故に遭い、各地に災難が降りかかるのでしょう?
なぜ、なぜ…。
この問いに、かつての ”引き寄せの法則者”たちは、明確に答えていません。
なぜなら、思うことすべてが叶うということ自体、半分しか真実の仕組みを説明できていないからです。
実際に、引き寄せの法則のみを以って、現象を語ること自体、非常に無理があります。
例えるなら、大きな象をアリの巣穴に押し込めるようなものでしょう。
またこうも言えそうです。
香りや味をテレビ画面で伝えようとするも同然かなと。
引き寄せの法則に疑念を持つ人は、こんな質問をしています。
これはレッスンで、生徒さんから話題に上げていただいたエイブラハム・ヒックス夫妻の(妻・エスター)動画です。
夫妻は「ザ・シークレット」に登場する筈でしたが、理念と異なる作品の仕上がりに際し、降板したことを(当時、率直に)語っていました。
ここでエスターが質問者からの問い(指摘)を受けています。
私の率直な感想ですが、エスターの回答は今ひとつ。
講演会の時間切れだとして、途中で逃げ切った印象です。
「ワクワクなボルテックスに浸っているだけでは、世界の虐殺、戦争は無くならない」と指摘する質問者。
投げかけられた疑問、問いに、皆さんなら どう答えますか。
英語が解る方は、ご覧ください。
私自身、この周波数の法則に効果がないとは、決していいません。
でも法則には、条件やレベルなど、副次的法則も連携しています。
カルマ(貸借の法則)も関係しますし…ね。
引き寄せ法則は、その入口にようやく立ったに過ぎないのです。
三車火宅の譬え
「三車火宅(さんしゃかたく)の譬(たと)え」をご存知でしょうか。
法華経にある7つの譬え話の一つです。
長々と書くよりも、漫画でご紹介します。
私自身は日蓮宗に関する知識が十分ではありませんので…ね。
長者は「仏」を、子どもたちは「一切衆生」を、そして燃えさかる家(火宅)は、煩悩に支配された「苦悩の世界」をたとえています。
衆生を現実の苦悩の世界から抜け出させるには、方便(必ずしも真実ではないウソ)を手段として用いても、導こうとする様子を伝えています。
無事に火災を逃れた子供達に、長者は「さっき、君たちにあげると私が言った3つの車は、本当はここに無いのだよ。ウソなのだ。けれど、もっと素晴らしいものをあげよう」と真実へと導きを与えます。
つまり、人間の煩悩(欲望)を刺激してスピリチュアリティに目覚めるまでの一連のプロセスに誘い出すには、人の煩悩を利用することさえ、あるというのです。
ですから引き寄せの法則も、こんなに広まったのですね。
精神性を高めよう!などということは、欲得だらけの人間には 関心を惹くことはできなかったでしょうから。
初めは 小さな”引き寄せ”は叶いはじめます。
その魔法のような事象に惹かれて、実際に多くの人が不思議な世界に引き込まれています。
時には、思いもしない偶然に導かれ、ラッキーなことが起こります。
しかし、その程度は限定的で、やがて停止する場合さえあります。
それは 決して悪いことでも、運に見放されたのでもありません。
なぜだろうか? どうして?とまた悩み始めるところに、次なる階段が見えてきます。
このさき、精神性の高まりがなければ、大きな願望は叶わないことを知る段階に成長していることを知らせる現象です。
つまり入門レベルから成長し、そろそろあなたの本質から変わっていくための呼び声であり、スピリチュアリティ探究への招待です。
この招待を為すために、初めはあなたの煩悩をくすぐる引き寄せを体験させ、煩悩をちょっと喜ばせてくれただけ。
このように 宇宙の法則(あるいは神、宇宙の知性、プログラミングと呼ぶ人もいますが)は、人間の煩悩である低次の欲望、小賢しさ、ズルさ、卑しさなども認めてくれているほど寛大であることも示しています。
人というものが低次な思考に陥ったまま、低次の欲求にハマっている、未熟な生命種であることも認めつつ、それでも救う手立てを講じているのです。
真の目的は、小さな低次の欲望を満たすことを幸福に感じるような精神性で人生を終えることではなく、大我の欲求を充すことを望む精神性を手にすることだからです。
そして、これこそが 真の幸福なのだと悟るよう、段階を経て導かれていきます。
高次になればなるほど、なんでも叶うという身勝手な(そして幼稚な)解釈の”半分は方便である”ことを知るでしょう。
璃子 Riko Claire
アウェアネス・インスティテュート
Awareness Institute
ヒプノとサイキック
レッスン / セッション
米国催眠士協会・米国催眠療法士協会
認定トレーナー